僕はお父さんの子どもなの?妖精とアポロンの間にできた息子の話です

seiza
子どものころアナタは、両親が本当の親かどうか考えたことがありますか?産婦人科の病院で、赤ちゃん同士がすり替わってしまった事件とかありました。

そんな複雑な親子関係で揺れ動く子ども心が、今回紹介するギリシア神話です。主な登場人物ですが、太陽神アポロン、その妻・妖精クリメネ、息子パエトン、です。

太陽神・アポロンは妖精のクリメネとの間に、パトロンという名の息子がいました。パエトンは学校の友人から、「パエトンのお父さんが神ないて、嘘つくなよ!」とからかわれていました。

パエトンは友人たちの言葉に腹を立てて、母親のクリメネに問うのです「お父さんは本当に神様なの?ねえお母さん教えて」パエトンの質問に、母親のクリメネは答えます。

「パエトンアナタに噓はつきません、お父さんは太陽神アポロンですよ。」その後もクリメネの話は続きます。そして最後にこう言います「だったらお父さんに会って、話をしてきたらいいわ」

パエトンはニッコリ笑って「やったー!お父さんに会えるんだね。嬉しいよ」太陽神アポロンのもとへ飛び立ちました。

太陽神アポロンの住んでい居るお城は豪華絢爛で煌びやかです。やっとの思いでパエトンは、アポロンの住むお城に到着します。大広間にいるアポロンは、眩しすぎてよく見えません。

そのうち目は慣れてきます、太陽神アポロンの周りにはさまざまな神様たちが立っています。アポロンがパエトンに「なにか用事かい?」と聞いてきました。

「僕のお父さんはアナタですか?なにか信じられるものを見せてください」パエトンが言うと、アポロンはパエトンの肩を抱きしめて言います「パエトン何を言っているんだ!私の大切な子どもだよ。そうだそんなに信用できないのなら、何かプレゼントをしよう」

パエトンは考える暇もなく答えます「太陽の馬車がいい、太陽の馬車を操縦したい」アポロンは困ってしまい「あれは無理だ。太陽の馬車を操れるのは私だけ大神・ゼウスも操れない馬車なんだよ」

その後も天の道が危険な事などを、パエトンに教えますがパエトンは後には引きません。「パエトンどうしてこんなにお父さんを心配させるのかい。別のことにしてくれないのかい」

アポロンの問いかけに聞く耳はありません「分かったパエトンがそこまで言うのなら、お父さんは約束をまもるよ」と言いアポロンはパエトンを連れて太陽の馬車の所へ行きました。

太陽の馬車を見てパエトンは大喜びです、もうすぐ地球は朝になり太陽の馬車が出発する時間です。アポロンはパエトンに、太陽の馬車の操縦方法を詳しく教えます。「今の話を聞いて、嫌になったのなら中止にしてもいいよ」

アポロンが心配して言っても、パエトンには通じません。そしてパエトンは太陽の馬車に乗って宇宙に飛び出します、でも太陽の馬車は操縦がたいへんです。思うように馬たちを動かせません。

進路はめちゃくちゃ宇宙の星座たちも、びっくりしています。月の女神アルテミスも太陽の馬車を見て不思議に思います「へんね、兄さんはいつも高い位置を走るのに、今日は低い位置だわ」

その頃パエトンは、焦る気持ちの中で反省していたのです。お父さんの言うことを聞いていればよかった、そんなことよりお父さんが神様だったなんて、聞かなければよかったんだ。

最後はパエトンが操る太陽の馬車のせいで地球が危険な状態になりかけたので、パエトンは神々から稲妻を投げられ死んでしまいます。

親である証拠、子どもである証拠。でも証拠だけが親子の絆なのでしょか?考えさせられます。

プロ演奏とアマ演奏の聴き比べ判定は、音楽の神アポロンが下します

そういえばテレビ番組で、本物か偽物かを当てる番組がありましたね。目隠しをしてプロの演奏とアマの演奏を聞きます、最初の演奏と後の演奏がプロなのかアマなのかは視聴者も分かりません。

でも視聴者には、途中からネタバラシがされます。観ていて面白い番組なので、私もよくこの番組は観ていました。そしてこうも思っていました、真実を聞き取る繊細な感覚は、凡人には分からないということです。

そして大切な秘密は、誰にも教えない方がいいかも知れません。

今回紹介するギリシア神話は、音楽の話です。登場人物は、ミダス王、音楽の神アポロン、野原の神パン、山の神トモロス、床屋さん、です。

森でのんびり暮らすようになったミダス王、いろんな出来事がありセレブな生活に終止符をうちました。そして野原の神パンと仲良くなりパンのことを芯からあがめていました。

ある日野原の神パンが、とんでもない事を言い出したのです「そうだ音楽の神アポロンと、どっちが上手いか演奏しよう」

もちろん判定する人物も探します、そして決まったのが山の神トモロスでした。演奏会は厳かに始まります「さあ、どうぞ」最初は野原の神パンの演奏です。

パンは笛を奏でます、ほのぼのとした暖かい音楽です。ゆっくりとした笛の音色が、心地よく感じます。この演奏を聞いていたミダス王も、素晴らしい音楽だと感心していました。

次の演奏は音楽の神アポロンです。今日のアポロンは月桂樹の冠をかぶってます、楽器はたて琴です。アポロンの演奏が始まりだすと森の木々や草花そして野鳥まで集まってきます。

幻想的で神秘的、アポロンの音楽の宇宙に吸い込まれそうになります。そして山の神トモロスが「これはアポロンの勝利!」と判定しました。

でもそこにいたミダス王は、この判定に意見します「それはおかしい、判定を取り消してください」と言ったのです。

アポロンは「私の演奏の良さが分からぬなんて愚かな耳だ、耳として許せん別のものにしてやる」と言うと、ミダス王の耳がドンドン違う形に変化していきます。

あらあらミダス王の耳は、ピーンとのびたロバの耳になったのです。なんてことだとミダス王は思いますが、次の瞬間別の事を思うのです。まあいい、耳なんてターバンを巻けば見えなくなる。

毎日ロバの耳を隠すために、帽子をかぶったりターバンを巻いたりとバリエーションをつけて誰にも悟られないようにしていました。でもこのミダス王の耳の秘密を、知っている人が一人だけいました。

それは床屋さんです。ミダス王はこの床屋さんにロバの耳のことを、口止めしていました「この耳のことは誰にも言ってはいけない、もしも約束を破ったらただではすまないからね」

でも床屋さんはロバの耳のことを、言いたくて言いたくてたまりません。だから地面に穴を掘りその中めがけて「王様の耳は、ロバの耳!」と叫んで、気持ちを落ち着かせていました。

その後この地面には、草木が生えます。そして草木が風になびくと聞こえるのです「王様の耳は、ロバの耳」 

アナタの願い事を、酒の神ディオニソスが一つだけ叶えてくれます

よく昔ばなしなどで「アナタの願いごとを、一つだけ叶えてあげます」と言うフレーズ聞きますよね。まあ実際考えたらあり得ない話しですが、もしも現実にそんな夢のような出来事に出くわしたらどうします。

今回紹介するギリシア神話は、願いごとを叶えてもらえる話しです。でもちゃんとオチがあるので、笑えるかも知れません。登場人物は酒の神ディオニソス、シレノス、ミダス王です。

シレノスとは、酒の神ディオニソスの育ての親で信頼のおける大切な人です。そんなシレノスですがある夜かなり酒に酔って千鳥足で歩いていたら畑に落ちてしまいました。

近くに住んでいた農民が気がつき助けて、ミダス王のもとに連れて行きました。ミダス王はこの酔っ払いを見て、ある人物を思い浮べます。そうです酒の神ディオニソスの育ての親です。

ミダス王はふと思います。このシレノスを豪勢におもてなしすれば、あとあと良いことがあるに違いない、ふふふ。そして毎日、朝から夜まで宴が開催されました。

宴開催から十一日目に、シレノスを酒の神ディオニソスの所へ送り届けました。酒の神ディオニソスはミダス王に「ありがとう是非何かしたいのだが、なにがいいかね?」と問いかけます。

ミダス王はすかさず「ではですね、私が触れると全て金になる魔法の力を頂きたいです」と言ったのです。ディオニソスは「わかった」と返事をしました。

でもディオニソスの心の声は違っていました、もっと良い願いがあるだろうに…。気が抜けてしまいました。

一方ミダス王はルンルンでした、早く酒の神ディオニソスからもらった魔法の力を使いたくてたまりません「これを触ってみようかな?それとも、こっちがいいかな?」草むらの葉っぱをちぎるってみました。

そしたらなんと、葉っぱが金になったのです「やったー!」ミダス王は楽しくなりその後、石ころを拾ったら金になり木の枝をおったら金になりと金を満喫してました。

やったーやったーこれからは、世界一の大富豪だ!ミダス王は急いで自分のお城へ戻ります。メイドたちに、豪華な食事の準備をさせます。七面鳥の丸焼きや豪華な果物の盛り合わせ最高級のぶどう酒などです。

さあ最高の晩餐だとミダス王は、近くパンを口に運ぼうとするとパンがカチコチの金になってしまいました。今度はぶどう酒を飲もうとグラスを持つと、また全て金になってしまいます。

嘘だろう!なんてことだ。食事もできない。考えこんでしまします、何であんなことをお願いしたんだ俺は、と後悔ばかりがミダス王の頭をよぎります。

数日でミダス王の身体まで金色になってしまいました、ワラにも縋る思いで酒の神ディオニソスに祈りました「酒の神ディオニソス様、全てが金になる生活は拷問です。この魔法がなくなるには、どの様にしたら良いのでしょうか?」

この願いを聞き入れた親切なディオニソス「ミダス王よ、パクトロス川で自分の身体を洗い流してきなさい」と教えます。

ミダス王はディオニソスから聞いたように、パクトロス川に行き身体を洗い流しました。ミダス王の身体から、金が流れ出し水にうつり砂底へ沈んでいきました。それが砂金の始まりです。
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