アナタは一目惚れをしたことがありますか?恋愛はさまざまな恋模様で、一概に一言では例えられません。今回紹介するギリシア神話は、お喋りな妖精エコーと美しい若者ナルキッソスの話です。

お喋りが大好きな妖精エコーは女神アルテミスのお気に入りでした、なので女神アルテミスはいつも妖精エコーを連れて出かけていました。

そんな妖精エコーですが、最初に話したようにお喋りが大好きで大好きでそのせいで自分の首をしめることになります。

女神ヘラは大神・ゼウスの奥様です。そんな女神ヘラは、ゼウスはどこに行ったのかしらもしかしたら妖精たちとたわむれているのかもしれないわ。何と無く嫌な予感がしました。

女神ヘラは、夫のゼウスを探しに出かけます。さて大神・ゼウスですが、女神ヘラの予感の通り妖精たちと楽しく雑談していたのです。時間は過ぎ女神ヘラは大神・ゼウスが妖精たちと雑談している場所を見つけます。

妖精たちは女神ヘラが、自分たちのいる方向へ向かって来ている事に気が付きます。そこで妖精の一人がエコーに頼みます「エコーお願い!女王様に話しかけて長話をしてきて欲しいの」

エコーは他の妖精たちを逃がして自分は女神ヘラの元へ「ヘラさま、ヘラさま、面白いお話しが…」エコーは大好きなお喋りを、ニコニコしながらはじめます。

そんなエコーの考えなんて、女神ヘラはお見通しでした。「エコーどうして私にうそばかり話のです。そんなアナタをいましめとして、お喋りができないようにします。でも可哀想だから返事だけできるようにしてあげます」

女神ヘラからそう言われエコーは、本当にお喋りができなくなりました。そんなある日のことです、エコーは山で狩りをしていた美しい青年ナルキッソスを目にします。

エコーはナルキッソスを気に入ります、話しがしたいお友達になりたいと、さまざまな思いをよせます。でもエコーはナルキッソスに話し掛けることはできません、女神ヘラからいましめをうけているからです。

エコーは思います、あの人が私に話し掛けてくれたらいいのだけど…。月日は流れナルキッソスは森で友人たちとはぐれます、友人たちを探すためにナルキッソスは大声を出して叫んでます。

「お~い、誰かいないのか」「…いないのか」エコーが続きます。ナルキッソスは不思議に思い辺りを見回しますが、人影は見当たりません。

「こっちに来て!」「…来て」と、このようなやまびこラリーが数回続き「二人で話しましょう」「…話しましょう」とエコーが返事をし、ナルキッソスの前に姿を見せたのです。

エコーは嬉しくなりナルキッソスに、抱きつこうとよっていきます。でもナルキッソスはエコーを見て「こないで!あっちへ行ってくれ、一緒にいたくない僕はきみを受け入れたくない」「…受け入れたくない」エコーも続いてこだまします。

エコーはナルキッソスに、ふられてしまいます。その後エコーは、悲しみと恥ずかしさで森の奥深くから出て来ませんでした。美しかったエコーは、歳月と共に姿を変え岩になります。

でもエコーの声だけがそのまま残り、今でも山に向かって「ヤッホー」と叫ぶと「ヤッホー」と返事がきます。それはエコーが返事をしているのです。